ECHOGRAPHY高血圧・動脈硬化
血管エコー診断
動脈硬化性疾患の発生リスクを早期発見・脳梗塞や心筋梗塞などの予防
命取りになりかねない動脈硬化や血管の狭窄などを早期に発見し、適切な治療につなげるため、 超音波による頸動脈エコーの検査を年間1000件ほど実施しています。
あおむけに寝た状態で、首に超音波を発するプローブと呼ばれる小型の装置をあてます。超音波は皮膚や筋肉を透過して頸動脈にぶつかり、反射して返ってきます。それを画像診断装置で画像化します。血管の肥厚度、プラークの有無、狭窄、血流の滞りなどを、その場で確かめることができます。
超音波による血管診断が普及したのは、コンピューター・グラフィックの技術革新で、画像の解像度が飛躍的に向上したためです。ここ数年で太さ1ミリ以下の血管まで見分けることが可能となり、頸動脈の壁の厚さも0.1ミリ単位で計測できるようになりました。
超音波診断ではまず、三層からなる頸動脈の壁の厚さを測定します。一般的に1ミリ未満が正常値とされており、加齢やコレステロールの蓄積によって厚みが増し、弾力が失われていきます。1ミリを超えると要注意です。コレステロールや中性脂肪などが増えると、管の壁にプラークと呼ばれる隆起物が付着しやすい状態になります。プラークが発達すると、血管内膜が狭くなったり、閉塞したりして、脳梗塞などのリスクが高まりますので、プラークの大きさや形状などを観察し、薬物治療や食事、運動療法などの治療を提案していきます。頸動脈は観察しやすいので、ここを窓として他の重要な血管の状態も類推できます。
脳血管障害
頸動脈のIMT(※)が厚くなると
脳血管障害や心疾患のリスクが高くなるといわれています
※IMTとはIntima Media Thicknessの頭文字で、
三層からなる動脈壁の構造の中で内膜と中膜を併せた厚さのことです。
虚血性心疾患
頸動脈エコー検査結果がわかります
検査時間は10分程度です。痛みもありません。
血管の状態を自分の目で確かめられるので、生活改善の動機づけにもなりやすいです。定期的に変化を観察するのに適しており、最近は健康診断などにも幅広く取り入れられています。
この検査は患者様に多大なメリットをもたらすのですが、実施するためには、術者の技術や特別なエコー装置が必要となるため、まだ十分普及していないのが現状です。
当院では、特別な訓練を終えた専門スタッフが頸動脈超音波検査による診断結果に基づき、患者様一人ひとりに細かなレポートを作成いたします。過去のレポートと比べて診断することで、病状の進行状態がより明確になり、より正確な診療を行うことができます。
■画像について
生活習慣病の諸因子がIMTにどのように影響をしているかを調査し、高血圧やコレステロールなどがどのような影響を与えているかということを解析を行い、生活習慣改善指導へとつなげています。
『要受診』『要精密検査』と診断された方へ
健康診断で対象となった検査項目について「要受診」「要精密検査」となっている場合には、自己判断により放置をせずに、速やかに医療機関に受診してください。診断や検査結果に基づいてご自身の健康状態や生活習慣を再確認していただくことが大切です。また、現時点では自覚症状がない場合でも、将来の疾病を予防することができます。動脈硬化を進行させる最大の要因は喫煙と高血圧で、禁煙と血圧の管理でかなりのリスクを減らすことが出来ます。
コレステロールや中性脂肪、糖尿病、内臓脂肪の増加なども動脈硬化に大いに関連するので、食事管理と定期的な運動習慣をつけることが大切です。朝食はたくさん食べても最も効率よくエネルギーに変換されやすいので太りにくく、夜間から深夜の時間帯は、摂取した栄養分が簡単に脂肪組織に変換されてしまいます。
油分の多い夕食をさけたカロリーコントロールは重要ですが、食事開始時に多くの野菜を食べてから他のメニューに移ると、食物繊維が食後血糖の急激な上昇を抑え、動脈硬化の予防につながります。